言い訳がましく

これは昨日、9/17にぶんか社から発売された私の単行本のカバーだ。
いや、正しくは没になったカバーだ。
「日招きの辻」を購入してくださった方はお気づきだろうが、実際発売されたものには『全１巻』が印刷されていない。
中身を読んでくださった方はやはりおわかりでしょうが、この話は終わっていません。
それで、見本が来たときに私が「これはちょっと…」と無理を言って取ってもらったのだ。
だって、『全１巻』とあるのに話が途中で終わっていたら「全然『全１巻』じゃないじゃね？」と思うよね。
「もう続きは出ません」という意思表示だと思うよね。
いつとはいえないけど、いつか続きが描ければいいなと未練がましく思っている私としては、バシッと潔く『全１巻』としたくなかったのだ。
編集営業としては、何も書かないと「続きはいつ出ますか？」という問い合わせが必ずあり、何も決まっていないのだから出るとも出ないとも答えられずに困るのだそうだ。
それもそうだとは思うが、最終的には私の意見を通していただいた。
この話は10年前に角川書店の『ザ・ホラー』という月刊誌に４本ほど掲載されたものに描き下ろしを１本加えてまとめたものだ。
単行本になるとは思わなかったので、とても嬉しいが、35ページ程度の描き下ろしで終わらせられるはずもなく、彼らの旅はまだ続いている。
いつか、一彦と日置が荷物を置ける日をちゃんと描いてあげたいと思っている。
描けるといいなあ。

今は『ネムキ』の「故郷は緑」のネーム、というかプロット中。
間があくといろいろ忘れちゃって困る。