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旅行記の合間に、自転車ロードレース界のごたごたについて毒を吐きます。 [スポーツ関係]

「2012年2月6日、CAS(スポーツ仲裁裁判所)は、2010年ツール・ド・フランス期間中のドーピング検査でクレンブテロール陽性が判明したアルベル ト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)に対し、2年間の出場停止処分が妥当であるとの裁定を下した。2010年ツール総合優勝のタイトルは剥奪。処分は2012年8月5日まで。

長期戦を呈したコンタドールのドーピング疑惑。最終的にCASが出した答えは、コンタドールに無罪を言い渡したRFEC(スペイン自転車競技連盟)の判断を 不服とするUCI(国際自転車競技連合)とWADA(世界アンチドーピング機構)の訴えを認めるもの、つまりコンタドールの有罪を認めるというものだっ た」
  シクロワイアード2/6のニュースより抜粋  http://www.cyclowired.jp/?q=node/76678

私はアルベルト・コンタドールのファンです。
そのせいもあって余計に納得いかない、わからないところが山ほどある。
彼から検出された禁止薬物は規定量の1/400ほどで、しかもツール・ド・フランス中の休息日。
これ自体は彼のパフォーマンスに何の影響もないとのことなのに、検出された事を重く見るというのならば「規定量」を定める意味はどこにあるのか。
それについて100歩譲っても、裁定が下されるまで延長延長延長の繰り返しで結局1年半もかかっているのは何故なのかな。
延長されるたびにコンタドールは次のレースへの調整をやり直していたはずで、ただでさえ厳しいレースのハードルを組織がそんなやり方で上げてしまうことについては納得などできない。
そしてクリーンな状態で圧勝した2011のジロ・デ・イタリアの優勝も剥奪。
なんか、萎えるなあ。
冷めちゃうなあ。
昔から自転車ロードレース界の薬物使用はかなりなもので、ドーピング検査も何処よりも厳しいと言われている。
厳しいのは結構だけど、風邪薬も普通に飲めず、喘息の薬が引っかかって出場停止とかってどうなんだろう。
本末転倒している気がしてならないよ。

エディ・メルクスさんのコメントがせめてものなぐさめだ。
「自転車競技にとってアンフェアーな裁定だ。
まるであたかも誰かが自転車競技の終焉を希望しているようだ。
他の競技とは比較にならないほど、自転車競技で はドーピング検査が行なわれている。
他の競技で行なわれていないことについて、専門家の意見を仰ぎたい。
不合理で、残念な結末だ。
被害を被るのは自転車競技界であり、どこにも勝者はいない」
        http://www.cyclowired.jp/?q=node/76719

大病にも数々の不運にも負けないでここまで来たコンタドールだから、今回も見事な復活を遂げてほしい。
そして今年のブエルタ・デ・エスパーニャでは2位の選手を1時間以上ぶっちぎって優勝していただきたいものである。


追記

長くなるが 2/8のサイクリングタイムのニュースより引用

CAS(スポーツ仲裁裁判所)は正式にアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)の禁止薬物クレンブテロール使用による2年間の出場停止を決定した。これにより2010年度のツール・ド・フランス優勝、そして2011年度のジロ・デ・イタリア優勝のタイトルが剥奪されることが決定した。

しかし出場停止は今年の8月5日に明けることとなる。これは今シーズン後半ブエルタでのコンタドール実戦復帰が現実的であるということだ。これは出場停止 期間が、使用が認められた2010年7月21日に遡り計算される為である。しかしながら調査の不透明性と遅延から、コンタドールは自身の処遇がはっきりし ないままレースで走り続けている。


グランツールのタイトルが剥奪がされたことにより、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)が2010年度のツール覇者となり、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)が2011年度のジロ・デ・イタリアの覇者へと繰上げとなった。


CASは正式に声明を発表している。


「我々の調査委員会によれば、肉の汚染のシナリオ、そして自己輸血のシナリオはどちらも可能性に過ぎない。どちらも分析結果を説明するには十分だが、その 逆も言えるあやふやなものだ。調査委員会の見解では証拠を検証、考慮した結果、クレンブテロールは汚染された食物を摂取したことによる可能性が高い。(厳 密に言うと意図的なサプリメントによる摂取と結論付けたようだ)」


「それにより出場停止機関の短縮に該当する正当な理由は無く、UCIのアンチ・ドーピングレギュレーションによりアルベルト・コンタドールの2年間の出場停止が妥当であると判断する。」


コンタドールは以前、無罪が認められないのであれば引退も辞さないと語っていたが、今回の決定を受けての正式なコメントはまだ出していない。しかし彼の兄弟フラン・コンタドールはコメントを出している。


「アルベルトは引退をしないよ。」そうCOPE(報道倫理委員会)に語った。


スカルポーニとシュレクはは共に今回の決定にがっかりしている。

「喜べるわけが無いよ、アルベルトのことは本当に残念だ。彼の無実を信じてきたし、自転車界にとって悪夢のような一日だよ。唯一ほっとしたのは566日というはっきりしないもやもやした日々にようやく決着がついたということだけだよ。」そうシュレクはコメントした。
「僕は4000ページにも及ぶファイルに目を通してたどり着いた結論CASの決定を真摯に受け止めているよ。今更2010年のツール・ド・フランスの優勝 者だといわれても嬉しさはなんて微塵も無いよ。僕はコンタドールと真っ向から勝負して負けたんだ。僕の目標は正々堂々と勝負して自らの力でツールを勝つこ となんだ。レースシーンで最強になりたいんであって、裁判所で得たい称号じゃないよ。今年勝つことができたら、それを僕自身のツール「初」勝利とする よ。」そうシュレクは複雑な胸の内を語った。


スカルポーニも同様に個人的レベルではコンタドールに同情をしている、しかし判決は判決と割り切ってもいる。


「個人的にはコンタドールの心情を察するよ。しかしながらこのことがプロサイクリストとしての僕に影響を与えることはないよ。結果も、そしてこれからの僕の目標に関してもね。ランプレISDのチームと共に今回の判断を真摯に受け止めるよ。」


しかしながらタイトル剥奪には反論もある。長くジロ・デ・イタリアのオーガナイザーを勤めたゾメニャンは、タイトル剥奪は不当であり、意味はないと語る。

「コンタドールの件に関して皆が聞くが、もう一度だけ明確に僕の考え方を述べておくよ。

彼はイタリアにUCI公認のライセンスを持ってやってきて、尿も血 液のテストもパスしてクリーンな状態で勝利したんだ。
だから彼の勝利を剥奪することは無意味だし正しい判断とはとても思えない。」
そう彼は自身のブログで 語っている。

コンタドールはレースに参加することを許されていたと言う事実、また566日という間判断が延ばし延ばしにされたことを踏まえても、WASAとUCIのやり方、また今回の判決が正当性を保っているかという部分では疑問が残る。

今回のようなケースが繰り返されるようであれば、選手は競技に専念することが難しくなってしまう。
また今回のことが発端で選手達の労働組合が出来ることをUCIは危惧しているとのコメントも出ている。
選手と競技団体の溝がこれ以上広 がってしまわないこと、また将来選手を夢見る若手選手達の為にもより良い競技環境を期待する。

http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=19193


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